酒というものは好きな方であれば、どうやめろと言われましても中々やめられないもんでございますな・・・
これがまた入院なんかしてたら話は別でしょうけれども、とりあえず体もちゃんと元気で酒が飲めないなんてことになると大変なことでしょうな・・・
禁酒番屋を聞くなら「林家たい平」
林家たい平の「禁酒番屋」は、酒にまつわる騒動をユーモラスに描いた一席です。禁酒令に翻弄される酒屋と番屋の姿を、たい平の軽妙な語りで楽しめます。笑いと風刺が絶妙に絡み合う、痛快な作品です。
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近藤様、大変でございましたなぁ・・・突然の禁酒の御触れでございました・・・

いやぁもう手前どもでも出入りは禁止ですし、御請様に呑ませることもできない、商売の方もあがったりでございますが・・・

お酒の好きな近藤様に関してましてはずいぶん苦しかったでしょうなぁ

当たり前だ・・・三度の飯よりも酒が好きなこのわしが酒が飲めんということになれば死んだ方がましだと思っておる・・・

苦しくて苦しくてどうにもならん!

なんとか酒を飲まずして酒に酔った気持ちがする方法がないかとこの前もたばこを思いっきり深~く吸い込んで、息を止めてみた・・・

いかがでございました!?

目が回っただけだ・・・

しかしまあなんとかして、酒を飲んだ心持と思いながらもな、酒を飲むことができない・・・

たま~に屋敷の外で飲んでもよいという、隠れて飲む分には構わんだろうと飲むのだが番屋が出来たであろう?
※番屋・・・江戸時代に消防、自警団の役割をしていた自身番の詰所。

あそこを通るには酔っ払っては通れん・・・

仕方がないので、酔いが覚めてから帰る、一体何のために酒を飲んだのかが分からん・・・

屋敷の中に居ても小屋の中に居てもただただ手が震えてくる・・・

この前も斬ろうと思った相手の隣の奴を斬ってしまった・・・

危ないところだ、どうにもならんな・・・

なんとかしてこの酒・・・

なんだ番頭?酒をつぐと申すか?馬鹿なことを申すな・・・

いかに殿が例え無謀なこととはいえ決められたことだ・・・決められたことは家来として従わなくてはなるまい・・・

なんだ番頭、おいやめぬか、一升枡に酒を注ごうとして・・・無理やり飲まそうとして、おい番頭!

店の者!止めたらどうなんだ!止めろ番頭!よせ!わしの前に酒を持ってくるな!

店渡されれば飲まなければならぬ!おい!番頭!誰か店の者はおらぬのか!おい誰か!

近藤様・・・

何を一人で盛り上がっておられるのですか・・・

・・・また妄想だ・・・このところこの妄想が浮かんで仕方がない・・・

そこでな番頭・・・この妄想を叶えてもらいたい・・・ひとつここで一升、注いでみてはくれぬか?

何をおっしゃいます近藤様・・・今ご自分でおっしゃったではございませんか・・・

もしここでお飲みになったということが分かりますと、手前どもは出入り止めどころかおとり潰し(クビ)になるところでございます・・・

とてもそんなことはできませんで・・・

いやいやそんなことは分かっておる・・・

分かっておるがわしがここで飲んだということをよそで言うわけでもなし、店の者がわしがここで飲んだことを喋るわけでもなかろう・・・

誰か見張りを立てておけば分からん・・・

番頭・・・注いでみてくれ・・・

左様でございますか・・・いやでも近藤様、ここはひとつ・・・

番頭・・・

この頃やたら人を斬る妄想を見る・・・

か、かしこまりました・・・

ちょっと誰か表に立って見張っててくれ!誰か通ったらすぐに知らせるんだ分かったね!?

それじゃあ支度をいたしましょう・・・一升枡をどうぞ・・・

・・・

・・・ほぉ・・・素晴らしい呑みっぷりでございますな・・・息もつかせずにぐびぐびと・・・

見ている手前どもでもおいしそうに見えますな・・・

う~ん!・・・ふぅ~・・・

いやぁ番頭!・・・生き返った!

いや別にわしは飲んでるつもりはないが、酒の方が『ごめんよごめんよごめんよ!』と中の方へ入って行く・・・

それを迎え撃つはずの胃袋が『よっ!久しぶり!』と今わしの腹の中で感動的な対面が行われたところだ・・・

番頭・・・今この勢いで飲んだだけでもうまいのだから、自分の小屋でちびちび夜だと飲んだらたまらんだろうなぁ・・・

左様でございますな・・・一日でも早く禁酒の御触れがとれますことを・・・

う~ん・・・解けるのを待っているといつまでも解けぬような気がするそこで番頭・・・

手前の家に一升届けてはくれぬか?

なにをおっしゃいますか!?ここで飲んでるだけでももうびっくりでございます!そんなもの届けに行きまして、さっきもおっしゃってたじゃないですかぁ!

番屋が出来て役人が二人、門番もおります!あそこをどうやってお酒を持って・・・

だからそれをお前の方で考えてもらいたい!金に糸目は付けぬ!頼んだぞ!待っておるぞ!

近藤様!近藤様!こ・・・

ったく弱ったなぁ本当にまぁ・・・しらふの時はいいのだが、一杯飲むとすぐにあのようなことをおっしゃる・・・

あの番屋を酒を持って通れるわけがなかろうになぁ・・・

番頭さ~ん!そんなこと言わないで届けてあげましょうよぉ!

なんだお前その明るい笑顔は・・・お前言うのは楽だよ?どうやったらあの番屋を通ると言うんだ!

えぇですから、番屋を通らなきゃいいじゃありませんか!

通らなければいい?通らないでどうやって届けるんだ?

えぇこれはあたしが考えたんですけれどもね、近藤様に伝書鳩を一羽買っていただきまして

その鳩をここへ届けてくれさえすれば、一升徳利を足にくくりつけまして、そうすれば番屋の上をぱぁ~!っと飛びますと・・・

役人の方がもし気が付いても手は付けられませぬ、そこに鳩が糞なんかふっかけてやりますと、それはもうざまあみろの世界でございますな!

うん、まあ話は面白いなぁ・・・だが一升徳利を足に付けて飛べる鳩がいるか!?

あぁなるほどねぇ、あぁ重いですもんねぇ!

じゃあこうしたらどうです!?鳩に飲ましちゃうんですよ!

それでもって飛んでもらって、近藤様の家についたら、近藤様にぎゅっとしぼってもらえば!

しらふで酔ったようなこと言ってると怒るぞ・・・

そんなことできっこないだろ!?あたしは困ってるんだからイライラさせないでおくれよ!?

あの番頭さん・・・いかがでございます?

これはあたくし達、酒屋が一升徳利を持って歩くから怪しいんですね・・・

当たり前だ・・・酒屋が一升徳利を持ってたらその中身は酒と決まっているじゃないか!

そうでしょう?ですからこれねぇ・・・狸の被り物こしらえてくださいよ・・・

狸の被り物を被って一升徳利・・・狸と置き物とあらそっくり!

酒屋の半纏を着てるから怪しまれるんだ、狸の被り物かぶれば一升徳利だと怪しまれないですよ!?

一升徳利は怪しくないが、狸が怪しいんだよ!

もういいよお前達!ろくな考えの奴がいない!いいよ何も考えなくて!

いえ、番頭さんあたしはこういう二人の馬鹿とは違います、ちゃんと考えました・・・

あの向横丁の菓子屋へ行くんです・・・梅月堂です・・・えぇ・・・

そこへ行くとですね、新しいお菓子でカステラってのが出来ました・・・

あのカステラを買ってまいります、いえあたしは食べたことはございません・・・

これを買ってまいりまして、二本のカステラを抜きます・・・

五合徳利を二本忍ばせて、蓋をしまして水引もして綺麗にして、『カステラのご注文です』と言って通るんです!

これじゃあ分からないと思いますよ!?それに金に糸目は付けないとおっしゃってましたから、このカステラ代もいただいてくる・・・

でもカステラはここ・・・あたしが無事届けました後、ここでカステラの宴でいいじゃございませんか!

お湯沸かして待っててくださいな!

そんなんでうまくいき・・・

いきますとも!任せてくださいな!

お願いでございます!!

通~れ!いずれへ参る!?

近藤様のお家へ参りたいのでございますが!?

近藤氏・・・ふむ・・・で、その方はなんだ?

へい!向横丁の菓子屋でございます!

菓子屋?

カステラのご注文です!

カステラの注文?ほぉ・・・

ご同役、変わるものでございますな・・・

大の酒好きの近藤が酒が飲めんようになったからカステラを食すようになったのか・・・

変われば変わるようになるもんだな・・・その方それはなんだ!?

カステラでございます!

ふむ・・・まあ役目の手前、手打ちがあってはならん、その包むをここへ出せ!

いえ!これはカステラでございます!

分かっておる・・・ただ役目の手前、手打ちがあったらいかんからここへ出せと言っておるんじゃ!

あ、左様でございますか・・・

はい、それじゃ・・・どうぞ・・・お調べいただいて・・・

ふむ・・・その方が風呂敷をほどけ・・・

ん・・・なんだ水引もかかっておるな・・・

えぇ!これはその、なんでもお使い物だそうでございまして!

なんだ進物か!それならば話は分かる!ご同役進物だそうだ!

酒好きの近藤がカステラを食すとは思わなかった・・・

それなら分かった、勝手に持ってまいれ!

は?

いいから持っていけと言っておるのだ!

あ!左様でございますか!これはもう誰がどう見てもカステラでございますので!それじゃ!

どっこいしょっと・・・

待て菓子屋・・・

あの近藤様のお家へ!

分かっておる近藤氏は・・・

今その方、その包みを持つ際、妙なことを申したな・・・

『どっこいしょ』と・・・申したな?

・・・え・・・も、申しましたかな?

うむ・・・カステラというものは、かように重いものではないがな・・・

いえ!もうこれはもう口癖なんでございますよ!

もう手前は朝起きましてもどっこいしょ、飯を食おうがどっこいしょ、便所に行こうがどっこいしょ、カステラ持とうがどっこいしょ!

ずっと申しておれ、そうやって・・・

出せ・・・ほどけ・・・水引は後でその方が勝手に結わえろ・・・

・・・

なんだこの徳利は・・・

あっ!えぇ!二本の徳利なんです!

なにをお茶目な顔をしているんだ・・・

その方カステラと申したな!徳利の中へ入るカステラがあるのか!?

いえ、そのあるんですよ!つい先日あたくし共の店で売り出しました、み、『水カステラ』にございます!

水カステラ?ほぅ・・・ご同役、お聞きになったことがありますかな?

水カステラ?いえあたくしも初めてでございます・・・

どういう味がするのか・・・一度飲んでみたいもんですな・・・

控えておれ!一度中身を吟味いたす・・・門番!湯呑を持ってまいれ!

あぁ勿論大きい方がいい・・・控えておれ!

確かに徳利ではございますが、水カステラだそうで、手前は初めてでございます・・・

控えておれ!

・・・ん・・・

・・・水カステラだな・・・控えておれ!ただいま取り調べる!

・・・ん・・・んっ・・・ごくっごくっ・・・ふぅ・・・

結構な水カステラであった・・・

どうです?ご同役も吟味してみては?

いいところに気が付かれましたなぁ!手前もまだ水カステラは一度も・・・

どうぞお飲みを・・・控えておれ!!

水カステラだと言って持ってくれば分からんと言うこの知恵の浅はかなこと・・・

ご同役・・・空きましたらこちらへ戻していただきたい・・・

手前急いで飲みましたもので味が良く分からなかった・・・ゆっくりと飲ませていただきたい・・・

これ!・・・水カステラなどと偽りおって!この不届き者め!棒縛りにしてくれる!

ごめんなさーーーい!!!
禁酒番屋を聞くなら「林家たい平」
林家たい平の「禁酒番屋」は、酒にまつわる騒動をユーモラスに描いた一席です。禁酒令に翻弄される酒屋と番屋の姿を、たい平の軽妙な語りで楽しめます。笑いと風刺が絶妙に絡み合う、痛快な作品です。
\Amazon Audileで聞けます/

ただいま!

どうだった?近藤様はお喜びになったかい!?

えぇ!もうお役人がお喜びになって!

なんでお役人が喜ぶんだよ・・・

途中までうまくいったんです!

もう通れるという時に、包みを持ってどっこいしょと言ってしまったもんで・・・

そんな重いもんはない!中を見たら徳利!徳利の中に入るカステラがあるか!

えぇ、まあとりあえず水カステラ・・・

水カステラ?どうしたんだい、一升飲まれちまった?

あぁ~あ、だから言わんこっちゃない、そんな簡単に通れるもんじゃないんだよ・・・

まああたしがね、近藤様に話をするから・・・

ちょっと待ってくださいよ・・・番頭さん!番頭さん!

今度はあたしに行かせてください、ね?隠すのがいけないんですよ!

隠すと人間は見たくなるでしょ!?だから堂々といけばいいんですよ!

おい変なこと言うんじゃないよ・・・堂々と一升徳利を持って・・・

いや徳利は徳利ですけどね、油徳利です・・・

向横丁の油屋いって半纏借りてこの油徳利・・・

綺麗にゆすぎまして、中にお酒を入れて『油のご注文です!』とこう言えばいいでしょ?ね?

大丈夫ですよぉ!あそこは油屋しょっちゅう出入りしてるんですから!

怪しまれませんから!それよりさっきのカステラ切って後でお茶飲みながら食べましょうよ!楽しみに待っててくださいな!

怪しまれませんから!それよりさっきのカステラ切って後でお茶飲みながら食べましょうよ!楽しみに待っててくださいな!

お願いでございますぅ!

通~れぇ~!いずれへ参るぅ!?

近藤氏の家へ参りたいのですが!

近藤氏ぃ?ご同役・・・まぁ~た近藤氏のところへ通りたいと・・・

なぁんだその方はぁ!

向横丁の油屋でございます!油のご注文で!

油のご注文!?その方が下げてるそれはなんだぁ!?

油でございます!

ほぉ・・・油?

役目の手前、手打ちがあってはならぬ・・・それをここへ出せ・・・

いえ!もうこれはどこから見ましても油なんです!

どこからって、ここから見たら違うかもしれんであろうがぁ!

門番!湯呑を!さっきより大きいのはないか!?

ないならばさっきと同じものでよい・・・

控えておれ!ただいま取り調べる・・・確かに油徳利ではござる・・・

控えておれ!・・・確かに油徳利ではあるが、最前の水カステラの例もある・・・

・・・んん~・・・控えておれぇ・・・ただいま取り調べる・・・

・・・

・・・油だそうでござる・・・んんっ・・・ごくっ・・・ごくっ・・・

コクのある油でござる・・・

油と偽ってくれば分からぬと申す浅はかな奴め・・・棒縛りにいたしてくれる・・・

この偽り者めぇ!!

ごめんなさーーーい!!

行ってきました!

どうだった!?

えぇ、もうコクのある油だと褒めていただいて・・・

お前も飲まれちゃったのかい?

もうよしておくれよ、もういい・・・もういい!馬鹿なことは考えないでおくれ!

あたしはこれから近藤様のところへ行って届けられるようなものではないと謝って来るから!

ちょっと待ってください番頭さん!もういっぺんだけ行かしてくださいよ!

冗談じゃないよ・・・盗人に追い銭とはこのことだ・・・

二升も飲まれて偽り者偽り者と言われてこんな悔しいことはないよ!

だからですよ!だからもういっぺん行かしてくださいよ!

冗談じゃありませんよ!ただで飲まれてるんですよ?

近藤様から金もらえないじゃありませんか!?

まあもらえないのはいいとしましても偽り者呼ばわりされるのは、冗談じゃないってんですよ!

てめえ達はがんがん飲んでるんですよ!?なんとか仕返ししてやろうじゃありませんか!

だからどうやって仕返しするんだ?

どうやって仕返しするってだから、あれですよ!今度は別に酒持っていきませんから損はありませんよ!

何を持っていくんだよ・・・

・・・んですよ・・・

なに?

・・・です

ん?

$&#です・・・

それじゃ会話にならんでしょうよ!なんだよ!

しょんべんですよ、しょんべん・・・

しょんべん!?しょんべんってあのしょんべんかい?

他にはないでしょう・・・一升徳利の中にみんなで小便入れるんですよ!

それでもって栓をして、向こうに『しょんべん屋です!』って行くんですよ!

これ嘘偽りないでしょう!?しょんべん屋がしょんべん持ってるんですから!

ね!?やらしてくださいよ!気が収まりませんから!

おいみんな集まってくれよ!この一升徳利の中に細いやつも太いやつもみんな入れておくれよ!

どんどん遠慮なくやっておくれよ!あたしだってするよぉ!よ~し!

お願いでございますぅ!

通ぉぉぉぉぉ~~~れぇぇぇ~~!!いずれへ参るぅ~♪

だいぶ酔ってるね・・・

近藤様の家へ参りたいのですが!

ご同役・・・まぁ~たぁ近藤氏だぁ・・・今日はよく近藤氏の所へ参りますなぁ・・・

その方はなんだぁ?

手前は向横丁のあの・・・向横丁の・・・あの・・・屋です!

貴様ぁ酔っておるのではないかぁ!?

・・・呂律が回っておらんぞぉ・・・

何屋だぁ!?

向横丁の・・・しょんべん屋です!しょんべんのご注文で!

馬鹿ぁぁぁぁ!!!

バカバカバカ!!どこの世の中にしょんべんを注文する奴があるんだ!

いえでも、松の肥やしにするとかなんとかで・・・

松の肥やしにするからしょんべんを注文したと申すかぁ・・・

へっへっへ・・・ご同役・・・

極まりましたなぁ・・・

水カステラ・・・油と来てぇ・・・しょんべん!・・・これ以上の物はござらん・・・

その徳利をこちらへ出せ!

いえこれはしょんべんですから!!

何ぉぉ~~この野郎ぉぉぉ・・・へっへっへ・・・

その徳利をここへ出せぇぇい!

でも本当にしょんべんなんですもん!!

てめぇぇぇぇ・・・みたびのうちに出せ・・・ここへ出せ!

う~ん・・・困ったなぁ、困ったなぁ・・・

なぁ~にが困ったなぁ困ったなぁだこの野郎ぅぅ・・・

門番!言わずして持ってくるところが良い!

ご同役・・・今度はどうやら燗をして(温めて)持って来たようだ・・・気が利いておる・・・

控えておれぇい!・・・ただではすまさんぞ?

ご同役・・・いつも手前が先で申し訳ござらん・・・

・・・おっとっとぉ・・・こぼすと勿体ない・・・

水カステラぁ、油・・・おまけにしょんべんと・・・

控えておれぇい!ただいま取り調べる・・・

今度持ってくるときは・・・あまり振らずに持って来い・・・

泡立っておるからなぁ!はっはっは!

・・・手前先で申し訳ござらん・・・控えておれぇい!

・・・

・・・ん、目がチカチカする・・・安物の酒かこれはぁ?・・・かっ!控えておれぇい!

・・・では・・・

・・・ん・・・んぶふぅぅぅーーー!!!

なんだこれは!しょんべんではないか!

えぇですから手前は、何度も先ほどからしょんべんだしょんべんだと申しておりました!

しょんべんんん!?

しょんべんだと申しておりましたと言ってしょうべんを持ってくるこの・・・

正直者めぇ・・・
禁酒番屋を聞くなら「林家たい平」
林家たい平の「禁酒番屋」は、酒にまつわる騒動をユーモラスに描いた一席です。禁酒令に翻弄される酒屋と番屋の姿を、たい平の軽妙な語りで楽しめます。笑いと風刺が絶妙に絡み合う、痛快な作品です。
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禁酒番屋を聞いて
落語にもこんなに下なお話があるのか!?と思われた方もいるのではないでしょうか?
この話を聞いたら『落語=敷居が高い』なんて誰も思いませんよね。
別に落語は上品なものでも、貴族の方が楽しむものでもなんでもありません。
老若男女問わず誰でも楽しめる者なのです。(今回の話に関しては下なお話NGな方は無理ですが)
自分の地位に甘んじて、地位の低いものの足元を見ていると最終的にはやっぱり自分に返ってくるというお話でした。
あまりに欲張ってお酒を飲もうとすると、いつかとんでもないものを飲まされる危険もなきにしもあらずでございますよ?
お酒は人に恨まれるほど飲んじゃいけませんね・・・
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