一言で「宮戸川」を解説すると…
門限を過ぎて締め出しをくらった幼馴染の半七とお花が、叔父の家でイチャイチャする噺。
主な登場人物
門限をくらって叔父の家に転がり込む半七です!
半ちゃんの幼馴染のお花です!
早とちりしがちな半七の叔父です!
半七の叔母です!
宮戸川のあらすじ
落語「宮戸川」は前半と後半に分かれており、後半はネタが長くなる上に夢オチとはいえ暗い話になるため、現在は前半で終わることがほとんどです。
宮戸川前半
江戸の小網町に住む半七は、友達の家で将棋をしていて帰りが遅くなってしまう。
厳しい親のため、家に入れてもらえない半七は、仕方なくいつも泊まっている霊岸島の叔父の家に向かうことにする。その途中で、同じように帰れなくなった幼なじみのお花と会う。
お花は友達とカルタ遊びをしていて遅くなり、家に入れてもらえなかった。彼女も困っているので、半七に「叔父さんの家に一緒に泊めてもらえないか」と頼む。
しかし、叔父の久太郎は早とちりしやすい性格で有名で、半七は「変な誤解をされたら困る」ため、断ろうとする。
しかし、雷が鳴りだして、お花が怖がって半七にしがみついたため、仕方なく二人で叔父の家に行くことに。
案の定、叔父は二人を勘違いして、一つの布団しか用意してくれない。
二人きりになった部屋で、お花は半七に少し親しげな態度を見せ始める。
雷が大きくなり、お花が半七の胸に飛び込んでくる。お花の着物が少し乱れ、半七はどうしようか迷うが…前半はここで終わり。
宮戸川後半
半七とお花は結婚し、幸せに暮らしていた。
ある日、お花は浅草寺にお参りに行くが、帰りに雷雨に見舞われる。お花は小僧に傘を取りに行かせるが、小僧が戻るとお花の姿は消えていた。
半七はお花を必死に探すが、行方不明のまま1年が過ぎる。
そんなある日、半七が船に乗っていると、船頭が「去年の夏、浅草寺で見かけた女をさらい、酷い目に遭わせた挙句、顔を見られたのがバレるのを恐れて宮戸川に投げ込んだ」と告白する。
その時、お花の声が半七を呼ぶ。半七が目を覚ますと、確かにお花がそこにいて、半七はひどい悪夢を見ていただけであった。
実際にはお花は無事で、浅草寺から帰ってきていた。半七は「夢は小僧の使いだ」と言う。
これは「夢は五臓の疲れ」ということわざの洒落と掛け合わせたオチ。
宮戸川はどこにある?
落語の前半では「宮戸川」という名前すら出て来ず、後半に、半七が乗る船でやっと出てきます。そんな宮戸川は現在は存在せず、現在の隅田川のうち浅草周辺流域の旧称を「宮戸川」と称していました。
ざっくりですが、以下の辺りにあります。
宮戸川の後半は今ではほとんど語られることはありませんが、「にんげんこわい」という古典落語のドラマ版で「宮戸川の上下」が公開されています。
※ただし、話の中身は落語の内容とは全く異なっているので注意です。
宮戸川を聞くなら
宮戸川を聞くなら「古今亭志ん朝」
小気味よい口調と的確な人間描写に加え、色気のある「古今亭志ん朝」であれば、半七とお花のうぶなやり取りも、青春を思い出すかのように演じ分けることができるだろう。
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