一言で「六尺棒」を解説すると…
道楽者の孝太郎が、夜遅くに帰ってきたことで父親に勘当されそうになる所を掛け合う噺。
主な登場人物
道楽者で勘当されそうな倅、孝太郎です!
道楽者の孝太郎に手を焼く父、考右衛門です!
六尺棒のあらすじ詳細
道楽者の若旦那、孝太郎は夜遅く家に戻るが、父親の孝右衛門に勘当されたため、家に入れない。
孝太郎は戸を叩き、自分が帰ってきたことを伝えるが、孝右衛門はとぼけて相手にしてくれない。
孝太郎が「死ぬ」と脅しても、孝右衛門は気にも留めない。さらに孝太郎が「家に火をつける」と脅すと、さすがにやりかねないと思った孝右衛門は六尺棒を持って追いかける。
孝太郎は逃げ回りながら孝右衛門より先に家に戻り、今度は逆に孝右衛門を締め出す。
孝右衛門が戻ってきても、孝太郎は同じとぼけ口調で父親の真似をし、からかう。父親が最後に「そんなに真似をしたかったら、六尺棒を持って追いかけてこい!」。
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六尺棒の大きさと魅力
テレビ業界や建築業界の人でもないと、今や「尺(しゃく)」という言葉はあまり使いません。
1尺は約30cm。六尺棒だと約180cmあることになります。約180cmの棒を持って追いかけてくるのですから結構リーチが長いですね。
現代では、自宅の警備システムもしっかりしてますから、家に六尺棒がある家はほとんどないと思います。現代の使い方は、武術を習う時か野球の基礎トレーニングなどスポーツ面で使われることがあるようです。
六尺棒を利用した「棒部会」なるものもあるらしく、同会の会主によると「六尺棒は最も人間の本質を引き出し、本来のパワーとスピ―ドを手に入れることができる」としています。
六尺棒の回転力を活かしたトレーニングができるようです。
落語【六尺棒】の中では、六尺棒を持って追いかけてくる父親を見て、孝太郎の口から「親父は足腰だけは丈夫だ、足が速い」と言う描写があります。
これは六尺棒を常に振り回しているおかげなんでしょうか。
参考記事
江戸時代の門限
孝太郎は門限をやぶったことで、父親・孝右衛門から勘当をされそうになりますが、そもそも江戸時代の門限はいつまでなのでしょうか。
江戸時代の門限は、午後10時までと決められていました。午後10時を過ぎると江戸の町々に設置された木戸を木戸番と呼ばれる番人(通称:番太郎)が閉める役割を担っていました。
当然、当時は現代のように「今は午後10時だ」という正確な時刻を測ることは難しい※ので、夜と昼をそれぞれ「暮れ六つ」「明け六つ」と分けて時間を把握していました。
※時計を持っていたのは一部の大名、豪商のみ。
そして、この十二に分けた時刻を時の鐘で町民に知らせたのでした。
画像参照:お江戸の化学
六尺棒以外では「宮戸川」などの演目でも、父親から締め出しを受けて家に入れてもらえないシーンがあります。
江戸時代のこの仕組みを知っておくと、落語家が「丑三つ時に八つの鐘がゴ~ンと鳴ると…」と言った時に、「夜中の2時なんだな」と理解することができますね。
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