一言で「壺算」を解説すると…

大小2つの壷、合計9円50銭の所を0円でもらってしまう噺。
主な登場人物

壺をうまく値切った値切り上手の源です!

兄貴と一緒に壺を買いに行った子分です!

水壺を売っている瀬戸物屋です!
壺算の詳細なあらすじ
徳さんの友人が水壺が割れてしまったため、新しい二荷入りの水壺を買いに行こうと誘う。
友人の妻が「徳さんは買い物がうまいから一緒に行ってもらえ」と勧めたため、徳さんは渋々同行することに。
瀬戸物屋に着いた徳さんは、まず一荷入りの水壺の値段を聞き、値切り交渉を始める。最終的に3円50銭のところを3円にまけさせることに成功し、その壺を買う。
帰り道で友人が二荷入りの壺を買うのを忘れたと気づき、再び店に戻る。徳さんは二荷入りの壺の値段が一荷入りの倍で6円だと聞き、交渉を始める。
巧妙に話を進め、今買った一荷入りの壺を3円で買い取らせ、最終的に二荷入りの壺を3円で手に入れることに成功する。
しかし、番頭は勘定が合わないことに気づき、そろばんで計算を繰り返すが、どうしても6円になる。
混乱した番頭が二人を引き止めて、一言。
番頭「もう頭ごちゃごちゃで紛らわしいですから、この三円も持って行ってください・・・」
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画像参照元:ゲオ宅配レンタル
「壺算」のトリックを解説!なぜ3円で済んだのか?

落語「壺算」は、買い物の計算がなぜかおかしく見える話です。しかし、実はちゃんと理屈があるんです!では、順を追って解説してみましょう。
1. 最初に買った壺の値段
まず、徳さんは 一荷入りの壺を 3円 で購入しました。
📌 ここでのポイント:
- 本来の値段は3円50銭だったが、値切って3円にしている。
- つまり、この時点では「お得な買い物をした」だけで、何のトリックもない。
2. 友人が「二荷入りの壺」を買うのを忘れる
友人は、二荷入りの壺が欲しかったのに、間違えて一荷入りの壺を買ってしまった ことに気づきます。
そこで、再び店に戻って「二荷入りの壺を買う」ことに。
3. 二荷入りの壺の値段を聞く
番頭に「二荷入りの壺の値段はいくら?」と聞くと、
💰 6円(一荷入りの2倍)
と答えます。
📌 ここでのポイント:
- これも特におかしくはない。
- 二荷入りの壺は一荷入りの2倍の大きさなので、値段も倍の6円。
4. ここで徳さんの交渉が始まる!
徳さんは、
「さっき買った 一荷入りの壺を3円で買い取ってくれ」
と番頭に提案します。
番頭は「まぁ、それなら…」と 3円で買い取ることに同意 します。
📌 この時点の取引:
- 3円で買った壺を そのまま3円で売却 した。
- つまり、徳さんの手元には 元のお金(3円)が戻ってきた。
- この時点では、何も損も得もしていない。
5. いざ、二荷入りの壺の購入!
次に、徳さんは その3円を使って、二荷入りの壺を買う と言います。
しかし、番頭は「いやいや、二荷入りは6円ですよ」と答えます。
ここで徳さんが 「さっきの3円を足せばちょうど6円じゃないか!」 と言い出す。
📌 ポイント:
- 実際の金の流れを整理すると、
1. 一荷入りの壺を3円で購入
2. それを3円で売却 → 3円が手元に戻る
3. 「さっきの3円と合わせて6円」と言い張る(実際には3円しかない)
- ここで番頭は混乱し、「なぜか計算が合わない」と思い込む。
– 「さっきの3円」は既に壺屋の資産であるはずである
6. ついに番頭が混乱!
何度そろばんを弾いても、
💰 6円のはずなのに、徳さんは「3円で済んだ」と言い張る。
計算が合わないように思えて、番頭は 「もうわけがわからん!」 となる。
そして、最後の決め台詞。
💬 「もう頭ごちゃごちゃで紛らわしいですから、この三円も持って行ってください…!」
📌 ポイント:
- 実際には 徳さんは3円しか払っていないが、二荷入りの壺を手に入れた。
- しかも、なぜか番頭がさらに3円を渡してしまった。
- 結果として、6円の壺を お金をもらって買った という摩訶不思議な状況が完成。
「壺算」のトリックの正体
実は、この取引はただの錯覚で 計算自体は何も間違っていません!
しかし、徳さんが 「一荷入りの壺を3円で売り、すぐにその3円で二荷入りを買う」 という話し方をしたことで、番頭は 3円しか払われていないような錯覚 に陥りました。
💡 わかりやすく言うと…
- 本当は6円払うべき なのに、
- 3円しか払っていないのに、それで足りる気がしてしまう 話術のマジック。
そして、混乱した番頭がさらに3円渡してしまうことで、話がとんでもない方向に転がっていくのです。
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