落語【たちきり】のあらすじを優しく解説!

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一言で「たちきり」を解説すると・・・

ハナシカ
ハナシカ

芸者に入れ込んだ若旦那が蔵入りの罰を受け、恋人を失った後に悲しみと後悔に包まれる噺

主な登場人物

若旦那
若旦那

芸者にはハマって浪費癖のついた若旦那です・・・

番頭
番頭

若旦那に100日間蔵に入るよう命じた番頭です

女将
女将

芸者・お久の店の女将をやっております・・・

詳細なあらすじ

花柳界では、芸者が仕事をする際、時間を計るために線香が使われた。線香が燃え尽きると、その時間が終わり、芸者は帰らなければならなかった。

若旦那はそんな芸者にのめり込み、浪費癖がひどく、親戚たちは彼の処遇について相談していた。田舎に送って炭焼きにする、牛の世話をさせて殺す、海に連れて行き溺れさせるなど、厳しい意見が飛び交う中、番頭は「乞食にして金の有り難みを教えるべきである」と提案し、それに賛成が集まった。若旦那は乞食になることを拒否したが、代わりに100日間蔵に入ることを命じられる。

若旦那が蔵に入ることになった原因は、柳橋で出会った芸者「お久」との恋であり、彼女に入れ込みすぎて莫大な金を使ったためである。蔵に閉じ込められていた若旦那には、毎日手紙が届いていたが、番頭はそれをすべて帳場に放置していた。80日目には手紙が途絶え、100日目に若旦那は蔵から解放され、番頭からお久の最後の手紙を渡される。

その手紙には、お久が若旦那に見放されたと思い込み、死を選んだことが書かれていた。若旦那はこれを読んで深い悲しみと後悔に襲われるが、番頭に願い出て浅草の観音様にお詣りに行くことを許される。

その後、若旦那はお久の置屋に向かい、女将からお久が亡くなったことを知らされる。お久は若旦那のために三味線を弾くことを楽しみにしていたが、それが叶わずに亡くなったと聞き、若旦那は「知っていれば蔵を抜け出してでも会いに行った」と告げる。

お久の三七日(みなのか)の法要が行われている中、若旦那は仏壇の前でお酒をいただいていたが、突然三味線の音が響き出す。「お久が黒髪(歌の名前)を弾いている」と感じた若旦那は、「これからは女房を持たない」と誓う。すると、三味線の音が止み、

若旦那「三味線が切れた、どうしたんだい?」

女将「若旦那、もうだめです。お線香がちょうどたちきれました・・・」

たちきりを聞くなら

たちきりを聞くなら「三笑亭可楽」

八代目三笑亭可楽の「たちきれ」は、彼の渋い低音と独特の舌足らずな語り口で、若旦那とお久の切ない恋模様を深く味わわせる一席である。

可楽の「べらんめえ」口調ながら礼儀正しい距離感が、噺の哀愁をより引き立て、聞き手に強い余韻を残す。シンプルな演出ながらも、情緒豊かで心に響く可楽ならではの一演である。

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