落語【青菜】のあらすじを優しく解説!

落語 あらすじ

一言で「青菜」を解説すると…

ハナシカ
ハナシカ

ご隠居と奥のやり取りを真似した植木屋の夫婦が失敗してしまう噺。

主な登場人物

植木屋
植木屋

ご隠居から柳陰(やなぎかげ=お酒)を勧められた植木屋です!

ご隠居
ご隠居

植木屋さんに柳陰(やなぎかげ=お酒)を勧めたご隠居です!

奥

ご隠居の奥でございます!

かみさん
かみさん

ご隠居の奥と同じことができると言い張った植木屋のかみさんです!

たつ
たつ

植木屋に試された、たつです!

青菜の詳細なあらすじ

植木屋が庭仕事を終えて打ち水をしていると、家の主人が井戸で冷やした柳蔭(やなぎかげ=お酒)を勧める。植木屋は大名酒を頂けると感謝しながら飲む。

主人が鯉の洗いを勧めると、植木屋は再び大名魚として感謝して食べる。続いて、主人が青菜を勧めると、植木屋は大名菜として喜ぶ。

しかし、次の間から奥さんが青菜はもうないと伝えるために「鞍馬(くらま)から牛若丸が出でまして、名も九郎判官」と言う。

主人が「義経、義経」と返すことで、植木屋に青菜がなくなったことを伝える隠し言葉として使う。

感心した植木屋が帰宅し、この話を妻に伝えると、妻も同じようにできると言い張る。次の間はないので、夏真っ盛りの中、蒸し暑い押し入れの中におかみさんを押し込む。

友人の竹さんに酒を飲ませ、青菜を無理やり勧めた。

長く押し入れに入っていた妻が息を切らしながら、「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官義経」と植木屋が言うことまで言ってしまう。

困った植木屋が一言「弁慶にしておきなさい・・・」

青菜を聞くなら

青菜を聞くなら「柳家小さん」

元は上方落語だった青菜を江戸落語に移植したのが三代目柳家小さん。その後、四代目、五代目柳家小さんへと青菜が導かれている。滑稽噺の中でも上品な落語が「青菜」だが、植木屋のうまく上品さを出せずに憎めない様子を小さんが上手く演じている。

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1.「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官」とは?

このセリフは、落語の中では「青菜がなくなった」ことを婉曲に伝える隠し言葉として使われます。
つまり、「鞍馬(くらま)→義経(よしつね)」という語呂合わせの変換が行われています。

・牛若丸とは?

牛若丸(うしわかまる)は、源義経(みなもとのよしつね)の幼名です。
彼は幼い頃、鞍馬山(くらまやま)で僧侶として修行していましたが、後に源氏の武士として成長し、名を「九郎判官義経(くろうほうがん よしつね)」と改めました。

・つまり、どういう意味?

「鞍馬(牛若丸)→義経(九郎判官)」という変化が「青菜がなくなった」という事実に例えられているわけです。
つまり、「さっきまであった青菜(牛若丸)は、もうなくなってしまった(義経)」というメッセージになっています。

・青菜=未熟の象徴?

江戸時代、「青い(あおい)」という言葉は「未熟」「若造」「経験が浅い」といった意味を持つことがありました。
例えば、

  • 青二才(あおにさい) … 未熟な若者を指す
  • 青臭い … 経験が浅く、考えが幼い
  • 青ざめる … 血の気が引く、ひよっこ感がある

このように、「青」という言葉には「まだ成長していない」「未熟なもの」というニュアンスが含まれることが多いです。

牛若丸=未熟な少年

源義経の幼名「牛若丸」も、まだ武士としての経験がない、未熟な少年時代を象徴する名前です。

落語『青菜』では、青菜がなくなったことを伝えるために「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官」と言い換えていますが、これは「青菜=未熟なもの(牛若丸)」という暗喩的なつながりがある可能性も考えられます。

  • 「青菜があった」= まだ未熟な状態
  • 「青菜がなくなった」= 成熟して義経になった という意味を持たせることで、「青菜(幼いもの・未熟なもの)」が「九郎判官(成熟した武士)」に変わる流れを表現しているとも考えられます。

2. なぜこんな回りくどい言い方をするのか?

江戸時代には、直接的な表現を避ける文化がありました。これは「粋(いき)」の精神にも関わります。

・粋な会話の演出

客人に「青菜がもうない」と直接伝えるのは、どこか野暮な感じがします。しかし、歴史的な話を絡めた比喩を使うことで、洒落た会話の一部として青菜がなくなったことを伝えられます。

・日常の暗号的な表現

江戸時代には、商人や町人の間でこうした比喩や言葉遊びが日常的に行われていました。例えば、直接的に「お金がない」と言うのではなく、「財布が寒い」と表現するのもその一例です。

3. 落語『青菜』での植木屋の勘違い

落語の面白さは、この「粋な言い回し」が植木屋にとっては難解すぎることにあります。

・植木屋の挑戦

植木屋はこの会話を「かっこいい」と思い、自分の家でもやろうとします。しかし、妻に「青菜がなくなったら、あの言葉を言ってくれ」と指示するものの、妻は丸ごと覚えてしまい、「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官義経」と全部言ってしまいます。

・オチの「弁慶にしておきなさい」

困った植木屋が「そこまで言わなくていい、せめて弁慶にしておきなさい」とフォローするのがオチになっています。このズレが笑いを生むのです。

青菜を聞くなら「柳家小さん」

元は上方落語だった青菜を江戸落語に移植したのが三代目柳家小さん。その後、四代目、五代目柳家小さんへと青菜が導かれている。滑稽噺の中でも上品な落語が「青菜」だが、植木屋のうまく上品さを出せずに憎めない様子を小さんが上手く演じている。

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