落語【井戸の茶碗】台本 吹き出し風

落語 台本

江戸時代でございまして、麻布の茗荷谷というところに屑屋さんで、清兵衛さんという人がいる・・・

この人は曲がったことが大嫌いな人で人呼んで「正直清兵衛」といわれてました・・・

今日も清正公様の脇を「屑ぅ~~」ってんでやってくる・・・

井戸の茶碗を聞くなら「桂歌丸」

桂歌丸の「井戸の茶碗」は、親しみやすい語り口と豊かな感情表現が光る一席です。落ち着いたトーンと絶妙な間で、笑いと人情のバランスを見事に描き出し、心温まる感動を届けます。Amazon Audibleの落語コンテンツの中でも最もレビューの多くなっています。

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あの、屑屋さん?

清兵衛
清兵衛

へい!

みるってと年頃17,8になります、娘さん・・・

つぎはぎだらけの汚~い着物を着ておりますがどことなく品がございました・・・

あの恐れ入りますがこちらへ入ってきていただけないでしょうか?

清兵衛
清兵衛

あっ、へい!分かりました!伺いましょう!

案内されてやってまいりました裏長屋でもって

あの、父上、屑屋さんを連れてまいりました・・・

おおそうか、これは屑屋さん!やあやあすまなかったな、さあどうぞ!

こちらへ入ってな、そこをピタリと閉めてください

いや~実は屑が溜まったんでもってってもらいたい

清兵衛
清兵衛

ああ左様でございますか、ありがとうございます

清兵衛
清兵衛

ええ~っと・・こちら様は初めてでございますな!

清兵衛
清兵衛

これからあたくしちょくちょくこちらへ参りますので、屑が溜まりましたらどうぞひとつとっておいて下さいまし!

清兵衛
清兵衛

他の屑屋より値良く頂戴いたしますんで!

おおそうか・・ではそういたそう

清兵衛
清兵衛

ただいま測ってみましたところ七文とちょいとでございますが

清兵衛
清兵衛

こちらさん初めてでございますので今日は八文で頂戴して参ります

いや~それは真にすまんなぁ、うん・・・

それからなあ屑屋さん、ここにあるこの仏像だがな・・・

これを、二百文で買ってもらえないかな?

清兵衛
清兵衛

え?これですか?

清兵衛
清兵衛

いや~まことに申し訳ないんですが、あたくしこういうものは頂かないんでございますよ・・・

なぜだ?

清兵衛
清兵衛

大変お恥ずかしい話でございますけどもね、あたくし目が利かないんでございますよ・・・

清兵衛
清兵衛

ええ、値踏みができないものでございますからね・・・

清兵衛
清兵衛

値打ちがあるものを安く買って脇でもって儲かっちゃったぁ~なんていうものは、どうもこう気持ちの悪いもんでございますし・・・

清兵衛
清兵衛

それとは逆に損をしてしまうなんてのもあれですから一切扱ってないんで、屑ばかりなんでございます・・・

やあ・・・そうかもしれんがな・・・

屑屋さん、そこをまげて何とかひとつ買ってもらいたい・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いや、訳を話さなければ分からんかもしれんが、わしは今でこそこんなみすぼらしい恰好をしておるが、千代田卜斎(ちよだぼくさい)と申してな

千代田卜斎
千代田卜斎

両刀を手挟んでおったが、つまらんことで意地を張ってな・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

今ではここで昼間子供を集め素読の指南をいたし、 夜になると表通りへ出て占卜(占い)を生業としておるが、十日ばかり前に雨に 打たれて風邪をひいてな・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

やれ医者や薬だと色々と金がかかる・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

真に恥ずかしい話であるが蓄えというものがないのだ・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

真に困っておる・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

なんとか!二百文で買ってもらいたい屑屋さん! この通りだ!

清兵衛
清兵衛

おおっとっとっとぉ!いけませんいけません!

清兵衛
清兵衛

なんですよあなたぁ・・・

清兵衛
清兵衛

いくらご浪人なさってるからってお侍さんじゃあありませんか!

清兵衛
清兵衛

あたくしなんぞに頭下げる必要はありません・・・

清兵衛
清兵衛

いえ!お話はよく分かりました、ええ困ってる時はお互い様でございますが・・・

清兵衛
清兵衛

こちら様だけ特にというわけにはいかないんでございますよ・・・

清兵衛
清兵衛

今までお断りしてきた方に申し訳が立ちませんからなあ・・・

清兵衛
清兵衛

ですからこうしましょう!

清兵衛
清兵衛

あたくしこれを二百文で預かってまいります・・・

清兵衛
清兵衛

脇へ持ってって売れましたらね?

清兵衛
清兵衛

儲かった分の半分あたくしに手間賃として頂戴いたしますが、 その半分はこちらへお届けに上がります・・・

清兵衛
清兵衛

そういうことにしていただけたら、あたくしここに二百文出すことができますが、いかがなさいます?

千代田卜斎
千代田卜斎

いやいや、そういうことをせずとも屑屋さんが勝手に扱ってくれればいい・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

何にせよ二百文で買ってくれればそれでいい・・・

清兵衛
清兵衛

いや!そうさせてください!

清兵衛
清兵衛

それでないってとあたくしはお引き受けはできません!

清兵衛
清兵衛

よろしゅうございますか?じゃあそう致しましょう!

ということで仏像の方の二百文、屑の方の八文を置いて、 屑を籠の中にいれてその上に仏像を乗っけるってと、こいつを担いで「屑ぅ~」っと やってまいりましたのが目黒白金の細川屋敷の長屋下・・・

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清兵衛
清兵衛

屑ぅ~~~

ある男
ある男

これこれ!!屑屋!屑屋!

清兵衛
清兵衛

へい!あっ・・お呼びになりましたか?

ある男
ある男

うむ、呼んだ!こちらへ戻れ!

ある男
ある男

お前の担いでおる籠の中に仏像のようなものが 見えるがそれはなんだ?

清兵衛
清兵衛

へ?あ、これですか?お目に留まりましたか?

清兵衛
清兵衛

ええ左様でございます!ええ!こちら仏様でございます!

ある男
ある男

大分古物のようだが・・・

清兵衛
清兵衛

ええ、かなり古いようなもんでございますよ!

ある男
ある男

手に取ってみたいがな、門を入ってくるとかなり手間がかかる・・・

ある男
ある男

拙者いまからそこへざるに紐をつけて下すから、その上に乗せなさい・・・

清兵衛
清兵衛

へえ左様でございますか、分かりました!

清兵衛
清兵衛

それじゃあ乗せますよ!

清兵衛
清兵衛

どうぞお引き下さいまし!いかがでございます?

ある男
ある男

いやぁ、これは中々良いな・・大層古いが中々良い仏様だ・・・

ある男
ある男

いやあ気に入った!

ある男
ある男

ん?ごとごと申しておるな・・・

ある男
ある男

腹籠りか・・・これは良い!

仏像の中に小さな仏様、仏像が入っているのを腹籠りといいまして大変に縁起がいいと 言われていまして・・・

ある男
ある男

これは気に入ったぞ!買って遣わそう!いくらだ?

清兵衛
清兵衛

ええ~そうですな・・・

清兵衛
清兵衛

二百文で預かってまいりましたんで、それより高く売れればいくらでもよろしいんです!

ある男
ある男

なんだ欲がないな、拙者もなるがたけ値良く買って遣わすが、実はな・・・

ある男
ある男

真に申し上げにくいが今懐都合があまり良くない・・・

ある男
ある男

どうだ?まあ精一杯のところで三百では売れぬか?

清兵衛
清兵衛

え?三百?ええ結構でございます!ええ、百儲かりますんでな!

清兵衛
清兵衛

先方へ五十届けてあたくし五十いただきますんで、よろしくお願いします!

ある男
ある男

よし!では、ざるに入れて下すから受け取れよ!

清兵衛
清兵衛

へい!ありがとうございます!

ある男
ある男

う~ん・・・良助!良助!

良助
良助

へい!お呼びでございますか?

ある男
ある男

こちらへ入れ・・・今屑屋からこの仏様を買った・・・

ある男
ある男

明日からこれを拝むぞ?

ある男
ある男

大層すすけておる、綺麗にしたい・・・

ある男
ある男

金盥(かなだらい)を塩で磨いて清めてな、 ぬるま湯を入れて新しい手ぬぐいを一本添えて持ってきなさい

ぬるま湯の中に仏像を入れてあっちをこすりこっちをこすりしているうちに、 台座の紙がブツブツっとはがれ、ごとっと何かがぬるま湯の中に入った・・・

ああ中の仏像が出てきたんだなっと思ってす~っと出してみるってと 金の布で包んである・・・

何だろうなと思って開けて見ると 紙の下から出てきたのは金でございます、小判です・・・

数えてみるってと五十両はある・・・

ある男
ある男

いやあ、良助!なんとしよう?

良助
良助

へえ、大した儲けでございますな!

ある男
ある男

たわけたことを申すな!

ある男
ある男

わしは仏像は買ったが中の小判を買った覚えはない・・・

ある男
ある男

これを売ったものは中に何が入っているか知らずに買ったに違いない・・・

ある男
ある男

元の持ち主に戻してやりたいがどこの誰だか全くわからない・・・

ある男
ある男

屑屋の名前も聞いておらん・・・

ある男
ある男

困ったことにあいなった、いかがいたそう・・・

良助
良助

左様でございますか・・・

良助
良助

あたくしが思いますのには屑屋って商売もまた、ほかの商人と同じように

良助
良助

おおよそ回るところが決まっているものと思われますので、 また近々ここを通ると思いますが・・・

ある男
ある男

おお!そうかそれでは明日から屑屋を改めよう!

あくる日になるってと例の目黒白金の細川屋敷の長屋下のところでもって陣取ってましてね・・・

屑屋
屑屋

屑ぅ~~

ある男
ある男

これこれ!屑屋!屑屋!

屑屋
屑屋

へい!あっどうも!へえ、お呼びになりましたか?

ある男
ある男

うむ!呼んだ!被り物を取ってこちらへ見せよ!

屑屋
屑屋

へえ?何か御払いものですか?

ある男
ある男

それはどうでもよい!とにかく被り物を取って顔をこちらへ見せよ!

屑屋
屑屋

ああ左様でございますか?

屑屋
屑屋

ええどうも、え~何でございましょう?

ある男
ある男

何をしておる!早く被り物を取って顔を見せろ!

屑屋
屑屋

へ?

屑屋
屑屋

いや見せておりますが・・・

ある男
ある男

うん?へ?

ある男
ある男

・・・それ顔か?

ある男
ある男

いや~妙な顔をしておるな、何とも言えん顔であるな・・・

ある男
ある男

その顔で表を歩くか?

屑屋
屑屋

歩きますよ・・・

ある男
ある男

良い度胸をしておるな!お前ではない!あちらへ行け!

屑屋
屑屋

ええ~何か御払いものを・・・

ある男
ある男

そのようなものはない!向こうへ行け!

屑屋
屑屋

へい・・・

屑屋
屑屋

屑ぅ~~

ある男
ある男

これこれ屑屋!こちらへ参れ!被り物を取って顔をこちらへ見せよ!

ある男
ある男

長い顔をしておるな!馬にも勝るぞ!お前ではない向こうへ行け!

何ってんで、通る屑屋さんことごとく顔を改められる・・・

清正公様の境内に小さな掛け茶屋がございまして・・・

昼飯時分になりますってと そのあたりで流しておりました色んな商人が集まりまして弁当を使って 一服していくというような・・・

商人
商人

通ったかい?細川様の屋敷の下・・・

屑屋
屑屋

通りましたよ!

商人
商人

やられたかい?被り物を取って顔を見せろっての?

屑屋
屑屋

ああ!やられたやられた!

屑屋
屑屋

どうしてあんなことをしてんのかねえ・・・

屑屋
屑屋

御あし(お金)のかからねえ遊びをするじゃねえか本当に・・・

屑屋
屑屋

被り物を取って顔をこっちへ見せろ!!こういうんだ・・・

屑屋
屑屋

見せたら、「それ、顔か?」って・・・

屑屋
屑屋

顔です!って言ったら「何とも言えん顔をしておるな!」ってんで

屑屋
屑屋

「それで表を歩くのか?誠にいい度胸だ!」ってんでね

屑屋
屑屋

何だか知らねえけど褒められたんだかけなされたんだか分からねえ!

商人
商人

けなされてんだよ馬鹿だねえ!他のもんもそうらしいねえ・・・

屑屋
屑屋

そうなんだよ、あたしもそうだったよ!

屑屋
屑屋

被り物とって顔見せたらねえ!

屑屋
屑屋

長い顔だ!馬にも勝るぞ!ってんで褒められた!

商人
商人

けなされてんだよぉ!!褒められてるんじゃないんだよ!

商人
商人

しょうがないねえみんな、 どうしてあんなことをしてんのかねえ・・・

ある男
ある男

おいおいおいおい・・おい!

ある男
ある男

なんだいみんな顔のことを何か言われたって グズグズ文句言っちゃあいけませんよ!

ある男
ある男

あの若いお侍さんが探してる顔だったら生きちゃいられないよ!

商人
商人

へ~どうして?

ある男
ある男

知らないのかい?何してんだか分からないの?

商人
商人

分かんねえよ・・・

商人
商人

なあ!みんな分かんねえよな?

商人
商人

うん・・・なんなんだい!

ある男
ある男

ありゃあ、あそこで敵(かたき)探してんだよ

商人
商人

敵探してる?あれ敵探してんのかい?

商人
商人

へ~知らなかったねぇ・・・

ある男
ある男

若そうだけども強そうなお侍だろ?ねえ下から見たって相当稽古してる顔つきしてたよ?

ある男
ある男

あの人のおとっつあん、あの人のおとっつあんの敵を探してんだよ!

商人
商人

あ!親の仇!?

ある男
ある男

そう!そのおとっつあんは腕がたつよ?

ある男
ある男

その息子ってんだからねえ・・・

清兵衛
清兵衛

ええ・・っとちょいと伺いますがそのお話どうも私に関係ありそうでございますが・・・

商人
商人

ん?誰?

商人
商人

ああ清兵衛さんじゃないか・・・

商人
商人

どうしたの?しばらく顔見てなかったけれど・・・

清兵衛
清兵衛

いやぁ、あたくし風邪ひいちゃってねえ・・・

清兵衛
清兵衛

それで治ったから 久しぶりに出てきたんですよ・・・

清兵衛
清兵衛

それでね?その話私にかかわりがあるように思えましてねえ・・・

清兵衛
清兵衛

というのもねぇ、四、五日前にねえ・・・

清兵衛
清兵衛

この先の裏長屋でもってあるご浪人さんから、あの~仏像をね?

清兵衛
清兵衛

二百文で預かったんですよ・・・

清兵衛
清兵衛

それをどなたかにさばいてもらおうかと思っているうちに、あの細川様の屋敷の下の所でもって お侍さんに売ったんですよ・・・

清兵衛
清兵衛

ええ、なんかそんなことであたくしのことを探しているんじゃあないんでしょうかねえ・・・

商人
商人

そ・・それだ!そりゃあそうさ!それはよくあるやつだ!

商人
商人

あのそれは古いもんじゃないかい?

清兵衛
清兵衛

ええ、かなり古物でしたよ・・・

商人
商人

そうだろ?

商人
商人

あんまり汚れてるんで綺麗にしようってんで一生懸命方々洗ったり磨いたりなんかしているうちにね?

商人
商人

首がぽろっととれたりね?腕がぽろっともげちゃったり・・・

商人
商人

これはいけねえよ?お侍は命のやり取りをするんだよ?

商人
商人

ね?だから縁起を担ぐよ?

商人
商人

こんな縁起でもない仏像を売りつけやがって!あの無礼な屑屋!

商人
商人

あの屑屋の首も落としてやろうってんでお前さんのこと探してんだよ!

清兵衛
清兵衛

そ、それは困りましたね・・・

商人
商人

困りましたね・・じゃないよ!

商人
商人

お前さん普段は屑より他は扱わないのになんだってそんなもん買ったんだよ!

清兵衛
清兵衛

いや買ったわけじゃないんですよ!あんまりお気の毒だったんでね?

清兵衛
清兵衛

で、あたくしね、 二百文でもって預かってきたんですよ

清兵衛
清兵衛

どなたかにさばいてもらおうかと思ってる矢先にあそこで売れちゃったんですから・・・

商人
商人

本当にしょうがないねえ・・・

商人
商人

もう細川様の屋敷の下んとこは通らないほうがいいよ?

清兵衛
清兵衛

そんなこと言ったって、あそこ通らないとお得意様の所へ行かれないんですよ・・・

商人
商人

あ、そう・・そしたらねえ・・・

商人
商人

屑ぅ~~って声かけると障子が開いて屑屋!ってこう来ちゃうんだから、いいかい?

商人
商人

細川様の屋敷の下通る時だけはす~~っと黙って行って、向こう行ってから屑ぅ~ってこう言やあいいんだよ!

清兵衛
清兵衛

はあそうですか!じゃあそう致しましょう!

清兵衛
清兵衛

屑ぅ~~~・・・

ある男
ある男

これこれ!屑屋!屑屋!

清兵衛
清兵衛

あ、甘い!甘~酒ぇ~~!!

ある男
ある男

なんだ!あの屑屋は!妙な屑屋だ!

ある男
ある男

良助!連れてまいれ!

ある男
ある男

被り物を取れ!

ある男
ある男

・・・ほ!

ある男
ある男

お前だ!お前だな!少し前にわしに古い仏像を売った屑屋は!

清兵衛
清兵衛

はぁ・・・左様でございます!

清兵衛
清兵衛

真ににすいません!

ある男
ある男

あの仏像があまりに汚れていたので!ぬるま湯の中に入れて洗っておくとな?

ある男
ある男

お前なんと!

清兵衛
清兵衛

く、首が取れましたか!?

ある男
ある男

そうではない!

ある男
ある男

台座の紙が取れて中から小判が五十両出てまいった!

清兵衛
清兵衛

へ!?

清兵衛
清兵衛

はあ~左様でございますか!?

清兵衛
清兵衛

いや~、そらぁまた、よろしゅうございましたな!

ある男
ある男

何!?よいことはない!

清兵衛
清兵衛

いえいえ、いやそうでなくてあたくしはね?

清兵衛
清兵衛

そのぉ・・腕がとれちゃったとか首がぽろっと落ちちゃったとか、なんかそういうことでないかと思ってね・・・

清兵衛
清兵衛

あたくし心配して おりましたんですが・・・

清兵衛
清兵衛

そうですか・・・ええ、五十両?

清兵衛
清兵衛

はあ・・・そ、それで何でございます?

ある男
ある男

うむ・・・

ある男
ある男

わしはな、二百文を出して仏像は買ったが中の金を買った覚えはないのだ・・・

清兵衛
清兵衛

左様でございますか、恐れ入ります・・・

清兵衛
清兵衛

ご潔白でございますな!

清兵衛
清兵衛

ええ承知いたしました!

清兵衛
清兵衛

いやぁ実はね、この先に住んでいらっしゃいます、千代田卜斎とおっしゃいますご浪人の方からあたくし預かったんです・・

ある男
ある男

ほうご浪々中の方か・・・

清兵衛
清兵衛

左様でございます

ある男
ある男

では中に金が入ってることを知らずに売ったのであろう!

清兵衛
清兵衛

ええ!そう、そうですよ!

清兵衛
清兵衛

知らないから、きっと買ってくれとこう言ったんでございますよ!

清兵衛
清兵衛

中に金が入ってることを知ってたら、お売りになるわきゃありませんよ!

清兵衛
清兵衛

まあ届ければどんなに喜ぶか知りませんよ!

ある男
ある男

うんそうであろうな!さっそく届けてもらいたい!

ある男
ある男

ここにな、その金が置いてある・・・

ある男
ある男

持ってってもらいたい・・・

清兵衛
清兵衛

ええ、分かりました!じゃあこれはひとつ確かにお預かりさせていただきます・・・

清兵衛
清兵衛

失礼でございますがあなた様のお名前は?

ある男
ある男

いや名前などはどうでもよい!

清兵衛
清兵衛

子供の使いじゃありませんから、向こうへ参りまして堅い方がいらっしゃいますから・・・

清兵衛
清兵衛

名前は?と聞かれたときに私聞いてませんでしたじゃ済みません・・・

清兵衛
清兵衛

どうかひとつ御聞かせいただきとうございます・・・

ある男
ある男

そうか・・・

高木
高木

わしは細川家の家臣で高木佐久左衛門と申す・・・

清兵衛
清兵衛

左様でございますか、分かりました・・・

清兵衛
清兵衛

それでは申し訳ないんですけど 商売道具をあそこに置かしてくださいまし・・・

清兵衛
清兵衛

ええでは行ってまいりますんで・・・

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清兵衛
清兵衛

え~ごめん下さい!ごめん下さいまし!

千代田卜斎
千代田卜斎

はい!

千代田卜斎
千代田卜斎

お~これは屑屋さんか、やあやあ用があるならこっちお入り!

清兵衛
清兵衛

へえ!

清兵衛
清兵衛

え~どうも、先だっては・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いやあこちらこそ!無理を申してすまなかったな!

千代田卜斎
千代田卜斎

うん?まだ屑は溜まっておらんが・・・

清兵衛
清兵衛

ああ、いや今日は商売に来たんじゃないんでございます!

清兵衛
清兵衛

ええ、実はあの・・・

清兵衛
清兵衛

こないだの仏様のことで伺ったんでございますが・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

おお!

清兵衛
清兵衛

実はね、あれあの後すぐに売れたんですよ!

清兵衛
清兵衛

これは三百で売れました! 百儲かりました!ええ!

清兵衛
清兵衛

そこであたくし手間賃としてここに五十いただきますんで、あと五十こちらにお届けに参りました!

清兵衛
清兵衛

どうぞこれを・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いやいやいや!そんなことをせんでも屑屋さんがこれをもっておけばよいのだ!

清兵衛
清兵衛

いえ!これはどうぞお納め下さい!

清兵衛
清兵衛

それからですねえ!

清兵衛
清兵衛

あの仏様を買ってくださいましたのが細川様のご家来で高木佐久左衛門とおっしゃいます!

清兵衛
清兵衛

大変に若いお侍さんなんです!

清兵衛
清兵衛

ええ!あんまりすすけてたんで、ぬるま湯に浸して洗ってらしたらしいんですな・・・

清兵衛
清兵衛

そしたら台座の紙が剥がれて、中から五十両出てきたらしいんです!

千代田卜斎
千代田卜斎

何?小判が出てまいった?五十両?

千代田卜斎
千代田卜斎

腹籠りではなかったか・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

うむ、それがどうかしたか?

清兵衛
清兵衛

どうかしたかって五十両ですよ?

清兵衛
清兵衛

高木様がおっしゃいますのには「わしは仏像は買ったが中の小判を買った覚えはない!」

清兵衛
清兵衛

だからこれは元の持ち主に返して来いっておっしゃいましてね?

清兵衛
清兵衛

あたくしその五十両を預かってまいりました、ええここにございます・・・

清兵衛
清兵衛

どうぞひとつお納めください!よろしゅうございましたな!

千代田卜斎
千代田卜斎

屑屋さん、わしはその金は受け取れん・・・

清兵衛
清兵衛

ど、どういう・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

わしはあの仏像を売ってしまった・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いったん手放してしまえばそれは人の物だ、自分のものではない・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

その中から出てきたものは買った人の物だ・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

わしは受け取るわけにはまいらん・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

先方へ戻しなさい

清兵衛
清兵衛

いやそれは違いますよ!それはあたくしは高木様の言うことの方が本当だと思いますよ?

清兵衛
清兵衛

高木様はね?今言った通り仏像は買ったんですよ?

清兵衛
清兵衛

ただ中の金は買った覚えはないってんですよ、ええそりゃあそうですよ!

清兵衛
清兵衛

そりゃあ考えたってごく当たり前の話ですよ?

清兵衛
清兵衛

元々こっちの話なんですから・・・

清兵衛
清兵衛

お納めになったらいかがでございます?

千代田卜斎
千代田卜斎

それは確かに先祖が我々のことを思って入れておいてくれたものに違いない・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

それほど大事なものを売るような、そんな不心得な者に初めから金は授からなんだ・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

天が買ってくれたものに授けた・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

その人の所へ戻しなさい・・

清兵衛
清兵衛

いやそれは違うと思います、いやそれはあのねえ!

清兵衛
清兵衛

どう聞いても高木様の言うことの方が本当だと思います!

清兵衛
清兵衛

こちらでお納めになるのが本当だと思いますよ!?

千代田卜斎
千代田卜斎

いや!わしは曲がったことは大嫌いだ!

清兵衛
清兵衛

いや曲がっちゃいませんよ!

清兵衛
清兵衛

そりゃあねぇ、確かにその~、先生が堅いことはよく分かります・・・

清兵衛
清兵衛

正直は結構・・・ですが先生はちょいとすぎますよ・・・

清兵衛
清兵衛

なんでもすぎちゃいけない、なんでもすぎるってと頭に馬鹿がつく・・・

清兵衛
清兵衛

馬鹿正直という・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

黙れ!武士に対して無礼を申すと手を浴びせるぞ!

清兵衛
清兵衛

ああ、どうもあいすいません・・・

清兵衛
清兵衛

でもこれ、どうしてもお受取りになりませんか?

千代田卜斎
千代田卜斎

わしは受け取らん!戻してまいれ!

清兵衛
清兵衛

そうですか・・・へい、分かりました

清兵衛
清兵衛

・・・とおっしゃるのですが、どうしましょう?

高木
高木

なぜ持ってくるのだ!わしが受け取るわけが参らんであろう!

高木
高木

よいか!何度も申すようにわしはな!

高木
高木

仏像は買った!だが中の金を買った覚えはないのだ!

清兵衛
清兵衛

へえそれは向こう行ってやりました!

清兵衛
清兵衛

やったんですけども、どうしてもだめだってんですよ!

高木
高木

だめだと申して、なぜまたわしの所へ持ってくる!?

高木
高木

よいか?五十両だぞ?

高木
高木

二百文というはした金でこんな大金を仏像付きで買うなんて、こんな勘定の合わない話はなかろう!

清兵衛
清兵衛

そらあそうでございますよ!

清兵衛
清兵衛

ですけどねぇ・・・

清兵衛
清兵衛

いやぁ分かりましたよ! 向こう行ってそう言いますよ!

清兵衛
清兵衛

・・・という私の言うことが先生お分かりになりますか?

千代田卜斎
千代田卜斎

だがわしは受け取ることはできん!

千代田卜斎
千代田卜斎

ん?なぜか?

千代田卜斎
千代田卜斎

それはな、わしには武士という誇りがある・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

それを受け取るとその誇りというものがなくなってしまう・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

だからわしは受け取れん・・・

清兵衛
清兵衛

そりゃあ先生はそういうこと言ってていいんですよ!?

清兵衛
清兵衛

武士の誇りで結構です!

清兵衛
清兵衛

お嬢さんのこと考えてみて差し上げなさいまし!お年頃じゃありませんか!?

清兵衛
清兵衛

こんな着物がきたい、こんな帯が締めたいなんという、その最中にですよ!?

清兵衛
清兵衛

あんなボロにくるんでおいてよくも先生そんな呑気で・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

黙れ黙れ黙れ!

千代田卜斎
千代田卜斎

何という無礼を申す!わしは何といっても受け取らん!

千代田卜斎
千代田卜斎

刀に賭けても受け取らんのだ!

清兵衛
清兵衛

そうですか、分かりました!

清兵衛
清兵衛

・・・ということですがどうしましょう?高木様?

高木
高木

よし!わしも武士だ!刀に賭けても受け取らして見せる!

清兵衛
清兵衛

そ、そうですか・・・弱っちゃったなあどうも・・

 どうにもならないんで千代田卜斎の住んでいる長屋の家主に相談をする・・・

大家
大家

はぁ~結構な話だなあそりゃあ・・・

大家
大家

さすがだ、人は武士!それでなくちゃいけませんよ?

大家
大家

よし私が間へ入って口を聞こうじゃないか

というんで家主が間に入りまして、まずこの五十両を何とかしないといけないという・・・

大家
大家

今回の件、屑屋が両家を何度も行き来しまして、汗を流しております・・・

大家
大家

この手間賃として、五十両の中から十両引いて屑屋へ・・・

大家
大家

後残りまして四十両の金を半分に割って、お二人に分けて頂きとうございます・・・

高木
高木

そうか・・・それで、まるくこの件丸く収まるのであれば

高木
高木

この金、受け取ろう・・・

ってんで高木佐久左衛門は黙ってそれを受け取った・・・

今度はこれを千代田卜斎の所へ持ってくるってと・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いやあ~大家殿、わしはその金は受け取れん・・・

大家
大家

なぜですか?

千代田卜斎
千代田卜斎

いやぁ、わしは情けは受けとうにない・・・

大家
大家

いや情けではないですよ!こちらのお金、屑屋にもうやっていただいたんです・・・

大家
大家

残りの金も先方はいただいたんです、いいじゃありませんか?

大家
大家

どうしてもいけませんか?

大家
大家

ああそうですか!それじゃあこうしましょう!

大家
大家

形を何か差し上げたらどうですか?

大家
大家

なんでもよろしゅうございますから、何か差し上げたら恵んでもらったなんてことにはなりませんよ?

千代田卜斎
千代田卜斎

この貧乏長屋、差し上げる物など何もない・・・

大家
大家

いえいえ!だから何にもないとおっしゃらずに!

大家
大家

先生が普段使ってらっしゃる手ぬぐいでも箸でもよろしいんでございますよ!

大家
大家

なんでもいいんですから!

千代田卜斎
千代田卜斎

そうか・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

それではこの汚い茶碗でどうだ?

千代田卜斎
千代田卜斎

これでわしは薬などを飲みまた茶なども飲んでおる・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

こんな汚いもんでよいか?

大家
大家

ええ!なんでも結構でございます!それではこれを高木様に!

というので高木佐久左衛門のもとにこの茶碗を渡してそして二十両という金を千代田卜斎が受け取った・・・

これで丸く収まった・・・

これがまあ結構な話だというので、この噂がどんどん広まって、しまいには細川家中でもって「はぁ~まことに二人とも偉いもんだ」というので、

これがお殿様の耳に入って「真に高木佐久左衛門偉いもんだ!目通りを許すぞ!」ってんでお殿様の前へ出た・・・

その時に千代田卜斎にもらった茶碗・・・

これでございます!ってんでお見せした・・ ・

するとそこに細川家お出入りの目利き、鑑定家ですな・・・

鑑定士
鑑定士

殿、それをちと拝見しとうございます・・・

殿
殿

そうか?構わん!

 手に取って見ておりました、目利きの目がだんだんと変わってまいりました・・・

鑑定士
鑑定士

これは大変でございます・・殿!

鑑定士
鑑定士

井戸の茶碗にございます!

殿
殿

何?これがそうか!?

殿
殿

高木!余がもらい受けるぞ!

高木
高木

ははあ・・・

 っと鶴の一声でございます・・・差し上げちゃった・・ ・

お殿様だからただじゃもらいません・・・

三百両という金が高木佐久左衛門の所へ下さった・・・ 

この金を目の前にして高木佐久左衛門考え混んじゃった・・

高木
高木

なあ屑屋、わしも困っておる・・・

高木
高木

元々茶碗は向こうから出たものであるからなあ・・・

高木
高木

拙者これを一人でもらうわけには参らんぞ・・・

高木
高木

いかがでござろう?とやかく申さん・・・

高木
高木

半分の百五十両をわしはもらい受けおくから、 残りの百五十両を千代田氏のところへ届けてもらいたい・・・

清兵衛
清兵衛

勘弁してください!

清兵衛
清兵衛

やだよぉ、だってそうじゃありませんかぁ・・・

清兵衛
清兵衛

こないだ五十両でもってあの騒ぎですよ?

清兵衛
清兵衛

百五十両なんてあたしは縛られて逆さに吊るされて、 大砲で撃たれるよ?

高木
高木

そんなことはない、とりあえず話だけでもしてきてもらいたい!

清兵衛
清兵衛

そうですか、行ってきますけどね・・・

清兵衛
清兵衛

・・・とこういうわけなんですけどね?

清兵衛
清兵衛

百五十両ですよ?いかがでございます?

清兵衛
清兵衛

こちらから出たんでございますから今度は!もう受け取るでしょ?

千代田卜斎
千代田卜斎

いやぁ、屑屋さん・・・その金は受け取れん・・・

清兵衛
清兵衛

また始まったよぉ・・・

清兵衛
清兵衛

お願いだから受け取っていただきたい!

清兵衛
清兵衛

じゃあまたこちらから差し上げてくださいよ!

清兵衛
清兵衛

瀬戸物とか金っ気の物もダメですよ?なんでもいいからお願いしますよ!!

清兵衛
清兵衛

百五十両取っといてくれないと、あたくしまた商売に行かれなくなっちゃいますから!

千代田卜斎
千代田卜斎

屑屋さん・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

高木氏はまだ御独り身か?

清兵衛
清兵衛

ええ!良助という者と二人で暮らしておりますが・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

そうか・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

うちの娘はな、女一通りのことは仕込んである・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

どこへだしても恥ずかしいことはない・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

いずれどこかへ嫁がせなければならない・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

高木氏の所へ嫁がせたいと思う・・・

千代田卜斎
千代田卜斎

どうだ?こういう話はいかんか?

清兵衛
清兵衛

はあ、ということはあたくしがご親族に?

千代田卜斎
千代田卜斎

そうだ・・・それを承知してくれるのであれば!

千代田卜斎
千代田卜斎

支度金として百五十両受け取ろう・・・

清兵衛
清兵衛

そうですか!そりゃあ結構な話じゃありませんか!

清兵衛
清兵衛

そらぁ大丈夫ですよ!

千代田卜斎
千代田卜斎

もらってくれるか?

清兵衛
清兵衛

もらいますもらいます!

清兵衛
清兵衛

あちらがもらわなきゃあたしがもらいます!

千代田卜斎
千代田卜斎

すぐに話をしてきてくれ!

清兵衛
清兵衛

へい!

清兵衛
清兵衛

千代田氏の所へ行ってまいりましたよ!

高木
高木

今度は素直に受け取ったであろう?

清兵衛
清兵衛

いえ、それがそうではないんで、また向こうから下さるものがあります!

高木
高木

また何か下さる?

清兵衛
清兵衛

ええ!今度は大変でございますよ?

清兵衛
清兵衛

ええ!あちらにお嬢様がいらっしゃいます!

清兵衛
清兵衛

女一通りのことは仕込んである、器量も中々いいと!ね?

清兵衛
清兵衛

で、いずれ嫁がせなくてはならないけれども、できるならば高木氏のような方の所へ嫁がせたいと・・・

清兵衛
清兵衛

もしご親族にしてくれるんだったら支度金として百五十両を受け取ろう!

清兵衛
清兵衛

とこうおっしゃってるんでございます!ええ!

清兵衛
清兵衛

いかがでございます? 御貰いになりませんか?

高木
高木

う~ん、そうか・・・

高木
高木

前々から母に言われておる・・・

高木
高木

う~ん、千代田氏の娘ならば、 間違いはなかろう!

高木
高木

そうか!妻をめとるか!

清兵衛
清兵衛

めとんなさい、めとんなさいましよ~!

清兵衛
清兵衛

いい女だ、本当ですよ?

清兵衛
清兵衛

ええ、これはね?

清兵衛
清兵衛

今裏長屋にいますから、ちょいとくすんでますがこちらへ 連れて来て磨いてごらんなさい!

清兵衛
清兵衛

いい女になりますよぉ~?

高木
高木

いやぁ~磨くのはよそう・・・

高木
高木

また小判が出るといけない・・・

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