一言で「七度狐」を解説すると…

二人の旅人が道中「七度狐」に七回騙される噺。
主な登場人物

喜六と一緒に旅をしている清八でぇ!

清八と一緒に旅をしている喜六だぁ…

おのれぇ~憎いは二人の旅人・・・

二人の旅人が狐に騙されていることを知った百姓です
七度狐の詳細なあらすじ
旅の道中、清八と喜六は煮売屋で村の銘酒「村雨」をすすめられ、すっかり酔っぱらってしまいます。酔った勢いで、店のイカの木の芽和えを抱えたすり鉢ごと盗み出し、山道へと逃走。
ところが途中で、すり鉢を放り投げた拍子に、それが昼寝中の狐に命中。怒った狐は、人に七度まで仇を返すという「七度狐」で、二人を化かしてやろうと決意します。
まず、麦畑を大井川の川渡りと錯覚させられ、裸になって麦畑を必死に渡る羽目に。正体を知った百姓に追い払われた後、迷い込んだのは、山奥の寂れた尼寺。
「男は泊められない」と断られるも、通夜客という名目で本堂に泊めてもらうことに。雑炊のもてなしに喜んだのも束の間、それは赤土や藁を混ぜた、食べるに堪えない代物だった。
やがて尼さんが留守にした夜、裏手の墓場から骸骨の相撲、赤子を抱いた女の幽霊など、次々と怪奇現象が現れる。
さらに、村人たちが金貸しのお小夜後家の棺桶を寺に運び込んできたため、二人は震え上がります。
夜更け、棺桶から這い出してきたお小夜後家の幽霊が「金返せぇ」と迫る中、旅人だと必死に弁明した二人は伊勢音頭を無理やり歌わされる始末。
実はこれも全て狐の悪戯。最後は地蔵だと思って歌っていた相手が狐だったと知り、追い詰めた百姓が狐の尾をつかんで引っ張ると・・・
抜けたのは――畑の大根だった
七度狐を聞くなら「桂米朝」
七度狐を聴くなら、桂米朝がおすすめ。落ち着いた語り口で、幻想と笑いが絶妙に交錯する世界へ誘ってくれます。細やかな情景描写も見事で、物語に自然と引き込まれること間違いなしです。
七度狐による7回の化かし

1. 麦畑を川と錯覚させ、裸で渡らせる
旅の二人は麦畑を目の前に、まるで大井川の大河に見えた。互いに「深いかぁ、浅いかぁ」と呼び合いながら、裸になってジャブジャブ歩き始める。足元には波の代わりに、踏み荒らされる麦の苗ばかり。
2. 尼寺だと思って雨宿りするが、実は幻
日も暮れ雨まで降り出し、二人はぼんやりと浮かぶ山寺の明かりに救いを求める。ありがたい尼寺と思い込むが、それは狐が見せた幻影。実体のない寺にすがる、哀れな旅人たち。
3. 「べちょたれ雑炊」を食べさせられる
空腹に耐えかねた二人に、尼(狐)が振る舞ったのは、赤土・藁・草・イモリを煮込んだ謎の雑炊。湯気を立てる「べちょたれ雑炊」に顔をしかめながらも、ありがたがってすするしかない二人。
4. 墓場で骸骨が相撲を取ると脅される(ウソ)
夜半、裏の墓場では骸骨たちがガチャガチャと音を立てて相撲を取る――。そんな作り話を真に受けた二人は、震えながら耳をすませ、闇夜に怯え続ける。
5. 赤子を抱いた幽霊が出ると脅される(ウソ)
さらには、腹に赤子を残して死んだ娘が、廊下を「寝んねんこ」と子守唄を歌いながら徘徊するという話まで聞かされる。二人は気配にびくつき、身動きも取れない。
6. 棺桶からお小夜後家が蘇り、金を返せと迫る
どんと置かれた棺桶から、白髪を振り乱した後家が飛び出す。ガタガタ震える二人に「金返せぇ、金返せぇ」と恨み言を叫びながら迫りくる。生きた心地もないとはこのこと。
7. 石地蔵と思いきや狐に伊勢音頭を歌わされる
命からがら逃げ出した二人。石地蔵にすがるつもりで前に立ち、伊勢音頭を唄い出すが、合いの手「よぉ~い、よぉ~い」は狐の声。地蔵ではなく、ムシロをまとった狐だったとは知らずに。
七度狐を聞くなら「桂米朝」
七度狐を聴くなら、桂米朝がおすすめ。落ち着いた語り口で、幻想と笑いが絶妙に交錯する世界へ誘ってくれます。細やかな情景描写も見事で、物語に自然と引き込まれること間違いなしです。
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