一言で「今戸の狐」を解説すると…
内職の狐と賭博の狐の勘違いから、落語家がチンピラに絡まれる噺。
主な登場人物
師匠に隠れて今戸焼の狐の内職をしていた良助です・・・
元女郎で良助を見かねて内職を手伝った「コツの妻」です・・・
ちんぴらグズ虎たぁ俺のこと!賭博やらせりゃ、日本一!
詳細なあらすじ
良助は話術に優れていたため、戯作者から噺家の三笑亭可楽の弟子になったが、前座では収入が少なく、暮らしは厳しかった。そこで、師匠には内緒で今戸焼の狐に彩色する内職を始める。
良助の家の裏には、元女郎で千住宿の「コツ」という場所で働いていた経歴から「コツの妻」と呼ばれるおかみさんが住んでいた。彼女はよく働き、近所付き合いも良く、評判の人物だった。ある日、良助が内職で狐を塗っているのを見かけたおかみさんは、内職を手伝うようになり、世間には内緒で彩色の仕事を始める。
一方、中橋の可楽の家に現れたちんぴらのグズ虎は、弟子たちが数えていた銭の音を聞き、これを賭博の音だと勘違いする。賭博の世界では、サイコロを使って不正を行うことを「狐」と呼んでいたため、グズ虎は「可楽の家で狐をやっている」と思い込み、強請(ゆす)ろうとする。可楽は冷静に対応し追い返すが、グズ虎の勘違いに気づいた弟子ののらくが、「狐ができているのは今戸(良助の家)」だと嘘を教える。
グズ虎は金儲けを期待して良助の家を訪ね、「狐をやっていると聞いた」と言う。内職がバレたと思った良助は、狐の彩色を見せるが、グズ虎は賭博の「狐」、つまりサイコロを使った賭博を意味していた。勘違いに気づいたグズ虎は怒り出す。
グズ虎「俺の言ってる狐はなあ、骨(こつ)の賽(さい)だ!」
良助は「コツの妻は裏のおかみさんです」
今戸の狐を聞くなら
今戸の狐を聞くなら「古今亭志ん生」
「ミスター落語」古今亭志ん生の専売特許とも言える演目がこの今戸の狐。先の大戦後は志ん生しか演じ手はいなかった、今でもごくまれにしかかからないレアな演目。
落語家自身が主人公となる演目でミスター落語はどう演じ切るのか。
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